DEC TOPS-20 タイムゾーンと夏時間の設定

TOPS20 夏時間設定

TOPS20 夏時間設定

TOPS-20日時のずれ

2022年6月、歴史的に貴重なDEC社 TOPS-20を使用しています。

「Panda TOPS-20 Distribution」を使用して、TOPS-20をインストールしました。
インストール方法は、下記ブログを参照してください。

Raspberry Pi4でTOPS-20を起動

DAYTIMEコマンドで日時を確認すると現在の日時が表示されません。
UNIX互換ツールのDATEコマンドでも同じ結果です。

@daytime
 Tuesday, June 21, 2022 17:15:06
@date
Tue Jun 21 17:15:08 PDT 2022
@

TOPS-20を起動しているLinuxの日時は、下記に示す日時なのでTOPS-20の日時は16時間遅れています。

$ date
2022年  6月 22日 水曜日 09:14:18 JST
$
実行OS 日時
Linux(現在の日時) 2022/06/22 09:14:18 JST
TOPS-20 2022/06/21 17:15:08 PDT

両方の出力を比べてみると、「 JST ⇔ PST 」の違いがあり、16時間の時差があります。

JST (Japan Standard Time)
日本標準時でUTCを9時間進めた時刻(UTC+9)
PDT (Pacific Daylight Time)
太平洋夏時間で、UTCを7時間遅らせた時刻(UTC-7)
PST (Pacific Standard Time)
西海岸標準時で、UTCを8時間遅らせた時刻(UTC-8)

ここで、UTC(Coordinated Universal Time)は、標準時を決めるときの基準となる「世界標準時」です。

タイムゾーンの設定

下記ブログに記述したように「TOPS20:<SYSTEM>7-1-CONFIG.CMD」のTIMEZONEを設定すると日本時間で表示できるようになりました。

DEC社 TOPS-20を使う方法 タイムゾーンの設定編

しかし、冬の季節では日時は正しいのですが、夏の季節では1時間進んでいます。
夏時間(サマータイム)の設定方法が不明でした。
拙著『超マシン復活 #1 DEC TOPS-20 レトロOSワールド』でも、この問題は残ったままになっていました。

タイムゾーン(夏時間)の問題が解決

TOPS-20 KL Model B Installation Guideを読んでいたらその解決方法がわかりました。

3.3.15 Specifying Daylight Savings Time

You can specify one of three daylight savings time (DST) options in
the configuration command file. The three options are:

o AUTOMATIC (change at the prescribed time; that is, set DST to
automatically go on the last Sunday in April and to
automatically go off the last Sunday in October)

o OFF (never do DST conversions)

o ON (always do DST conversions)

The most convenient option is AUTOMATIC, but you must determine which
option is best for your site.

DAYLIGHTパラメーターにOFFを指定すると夏時間が適応されなくなります。

TOPS-20を日本時間にするには、「TOPS20:<SYSTEM>7-1-CONFIG.CMD」を以下のように設定してください。

* TIMEZONEパラメーターを-9
* DAYLIGHTパラメーターをOFF

@enable
$connect tops20:
$edit 7-1-config.cmd

…(中略)…
TIMEZONE -9
DAYLIGHT OFF
…(中略)…

$connect
$disable
@

超マシン復活 #1 改訂

拙著『超マシン復活 #1 DEC TOPS-20 レトロOSワールド』のVer 1.3《 2022年06月21日 》でタイムゾーン(夏時間)設定を追加しました。

すでに本書をご購入いただいている読者のために改訂内容をある技術者の書斎 – 電子書籍で公開しています。
Ver1.3の改訂内容は、ここを参照してください。