気になるUNIXサマースクール
私の会社の夏季休暇はお盆前後に10日間ありました。この夏季休暇を利用して、私は日本各地への旅行をしてリフレッシュしていました。しかし、この長いお休みの間に何か技術修得できると自分のスキルアップになると考えていました。
そんな時に、夏の季節になるとコンピューター系の技術情報誌に「UNIXサマースクールin稚内」の広告が掲載されており、気になっていました。
私は、技術情報誌 Super ASCII で連載している「UNIXエキスパートへのパスポート」という連載記事を読んでいました。1991年の10月号で、「K君武者修行に行く」と題してUNIXサマースクールのシステム管理初級コースに参加した様子が掲載されていました。
UNIXを使いこなすための技術が修得できるようで、私もいつかは参加したと考えていましたが、開催日程と会社の夏季休暇の日程がなかなか合わず、参加することができませんでした。
今年の夏季休暇はUNIXサマースクールに参加
1993年のUNIXサマースクールは8月9日から13日に開催され、会社の夏季休暇と重なりましたので参加するチャンスがやってきました。
稚内北星学園短期大学へ「UNIXサマースクール システム管理初級コース」の申込書を送付しました。申込者が定員の範囲内の場合は参加可能の連絡がきて参加費用を送金することになっています。しかし、定員をオーバーしていると受講できない旨の連絡が来ると書かれてました。
約1週間後、参加可能の連絡が来ました。5日コースの参加費・宿泊費・食費をすべて含んで6万円です。自分への投資としては、そんなに高くはありません。
北海道の北端の稚内へ旅行して、おいしいものを食べ、新しい技術を勉強できるという楽しい夏季休暇となりそうです。
パンフレットに書かれている言葉が魅力を増しています。
最北端は最先端
夏の北海道で、心ゆくまで、UNIXを学んでみませんか!
北海道の稚内は遠かった
その当時、私は飛行機の移動は嫌いだったので旅行はいつもJRを利用していました。そういうわけで、北海道の移動も当初からJRで考えていました。時刻表で移動時間を調べると以外に遠くて驚きました。
まず、夜行列車で金沢を出発して朝に青森に到着します。次に、青森から札幌へ移動すると夕方に到着します。札幌で少し休憩し、また夜行列車で札幌を出発して朝に稚内に到着します。
2日続けて、夜行列車を利用したのは人生初めてです。少々疲れましたが、楽しい1週間の始まりです。
UNIX’93 サマースクール
教室には、たくさんのSUN Solaris ワークステーションが並び光ネットワークで接続されています。ワークステーションは、ひとり1台を使用することができました。システム管理初級コースの5日間の授業日程は、以下のようなカリキュラムでした。
UNIXシステム管理に関する90分の講義に続き、実習で学んだことを実際に設定して徹底的に理解します。夕方は、各自の自習の時間で、その日の復習ができるようになっています。
UNIXで業務システムの開発を行った経験はあったのですが、システム管理についてじっくり勉強したことがなかったのでとても役に立つ技術を勉強することができました。
SUN Solarisは、従来のBSDベースのSunOS4を SVR4ベースに変更した戦略的な基本ソフト(OS)です。サマースクールに参加して、Solarisを使用したUNIXシステム管理を勉強できたことは、とても有益でした。
食事は、朝・昼・夜に学食でおいしい食事を頂きました。宿泊は「稚内少年自然の家」で稚内北星学園短期大学との間はスクールバスで移動なので快適な生活と勉強ができる環境でした。宿泊所にお風呂はあったのですが、近所に稚内温泉の銭湯があり夜は温泉に入りました。
最終日に修了証の授与式があり、有意義な5日間はあっという間に過ぎました。