工業高校でエレクトロニクスの道へ

               公開日:1971/04/01

工業高校の電子科に進学

私は中学生時代から数学と理科が好きで将来は理数系に進もうと考えており、エレクトロニクスに興味を持った私は、1971年に金沢市立工業の電子科に進学しました。

学生服の襟元につけた、電子科の校章です。

金沢市立工業 電子科

金沢市立工業 電子科

エレクトロニクス技術の勉強

普通科目に加えて、次のような専門科目を勉強しました。
電子回路などを理解するためには、微分・積分などの数学の知識が必要なことが多く2年生と3年生においては、応用数学という科目で普通高校より早い時期に多くのことを習得できました。

専門科目 1年 2年 3年
応用数学
機械一般
電力設備
電気理論
電子製図
電子実習
電子回路
電子計測
電子機器
電子応用
電気材料
自動制御

 

専門科目の中では特に電子回路の技術に熱中し、ラジオやテレビの受信回路を勉強して動作原理を理解しすることが楽しく、パーツ屋さんで部品を購入していろいろと実験していました。

残念ながら高校の授業ですから専門技術を広く浅く習得するのが目的でした。
興味を持った技術は、学校の図書館で専門書を読んで勉強しました。しかし、専門知識が不足して深く理解するには至りませんでした。大学の工学部へ進み、もっと専門科目を勉強しなければならないと考えるようになりました。

コンピュータへの興味

ある日のホームルームで、担任の先生が県工業試験所からコンピュータの視察に参加したときの感想を話されました。
要点は以下のようなことだったと記憶しています。

  • 専用回路で構成した装置とは異なり、ソフトウェアを入れ替えることで何でもできる。
  • これからは、コンピュータの時代になると思う。
  • いろいろな可能性を秘めている。

 

その当時、コンピュータは電子計算機と呼ばれていたと思います。
私はコンピュータについて正しく理解していませんでした。
フリップフロップ論理回路を組み合わせて加算器などを実現できることは知っていましたので、電子計算機は論理回路を大規模に構成したものだろう思っていました。
しかし、ソフトウェアとはいったいどんなものかも知りませんでした。

少し調べてみると、プログラミング言語というもので処理を論理的に記述したソフトウェアをコンピュータに入力するとコンピュータ内部の回路がつながり演算結果が出力されるものらしいと知りました。すなわち、ソフトウェアを入れ変えるだけで簡単に論理機能を変更できるものなので、専用の回路を設計しなくてもいろんな分野に応用できる回路なのかと考えていました。

その当時の理解は、今でいう「リコンフィギャラブル論理回路」に近いものでした。

そのころから、コンピュータを勉強できる大学に進学しようと考えるようになりました。

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