TK-80というマイコン・ボード
1978年、私は日本電気のTK-80というマイコン・ボードで休日に趣味のプログラミングをしていました。
TK-80マイコン・ボードは、インテル8080互換の日本電気製マイクロプロセッサμPD8080Aを搭載したトレーニング用のキットです。メモリは、プログラムとデータを格納する 0.5KBの SRAMと、基本的なプログラムが書き込まれた0.75KBのPROMが搭載されています。入出力としては、表示用の8桁7セグメントLEDと、入力用の16進キーボードを備えています。
外部記憶装置は、オーディオ用のカセットテープを使用しました。データを音声信号に変換する変調・復調回路を作り、プログラムのセーブは、デジタルデータを音声信号に変調してテープに録音します。プログラムのロードは、テープを再生して音声信号をデジタルデータに復調します。ボーレートは、300ボー程度でとても遅いものでした。
TK-80トレーニンギキットは、できることが限られていたので拡張しました。VRAMというTVD-02キャラクター・ディスプレィ・ボードを増設して、普通のテレビに32文字×16行の画面表示ができるようにしました。また、キーボードも接続し、メモリは4KバイトRAMを増設しました。
これで、TK-80マイコン・ボードでプログラミングして楽しめるようになりました。
最初はTiny BASICという、2.75KBバイトのBASICインタープリタを打ち込み、BASICプログラミングで遊んでいました。
ソフト開発環境を作成する
ソフトウェア開発するときは、8080アセンブラ言語でコーディングして命令コード表を参照しながらハンドアセンブルして機械語に変換します。その機械語を16進数キーボードから打ち込んでメモリに書き込んで、実行するわけです。とても効率的とはいえません。
メモリを4Kバイトに増設したので、技術雑誌に掲載されていた8080アセンブラの機械語を16進数キーボードから打ち込んでアセンブラを使えるようにしました。次に、簡単なソースエディタを自作し、メモリ内にソースプログラムを格納できるようにして、そのソースコードをTK-80の上でアセンブルしてメモリに機械語を出力できるようにしました。エディタでソースプログラムを入力してアセンブルして実行という一連の流れをすべてオンメモリで実行できるようになりました。
また、単純な対話型コマンド・プログラムを作成して、コマンドでソフト開発環境を作成して TOPS-79と命名しました。
- edit エディタ
- asm アセンブル
- exec 実行
- load ソースプログラム、機械語のロード
- save ソースプログラム、機械語のセーブ
このTK-80の開発環境を使用して、何でも思いついたことをプログラミングして趣味のプログラミングを楽しんでいました。
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