開発研究所を定年退職

定年退職で感じること

2016年3月に60歳となりました。
大学卒業してから38年間ソフトウェア技術者の道を歩み続け、3つの会社を経験して自分にとっていちばん有益な技術者人生を過ごした株式会社パナソニック システムネットワークス開発研究で定年退職を向かえました。

振り返ってみると、忙しく駆け抜けたように思います。いろんな技術を修得して、数々のソフトウェア開発に果敢に挑戦してきました。技術だけではなく、松下幸之助創業者の経営理念も学ぶことができました。

自分がこんなに早く60歳になるとは考えていませんでした。まだまだ気持ちは若く、いろんな挑戦ができると思います。
4月からの、セカンド・ライフをどのように進めようか、まだ考えがまとまっていません。

 

株式会社パナソニック システムネットワークス開発研究から、感謝状を頂きました。1997年に画像技術に挑戦して、画像技術という技術の柱ができたことはとても嬉しいことです。現在では、画像技術が4つのコア技術のひとつに成長しました。

PSNRD感謝状

PSNRD感謝状

定年退職のメッセージ

人事から定年退職するにあたり、職場イントラネットに掲載するために「印象に残っていること」「後輩のメッセージ」を依頼されました。

  • 会社生活で印象に残っていること

平成元年12月にまだ小さな組織の株式会社松下通信金沢研究所に転職しました。拠点研の創生期に自分たちの会社を作ってゆくという意気込みで開発業務に携わったことが印象深いです。

  • 後輩へのメッセージ

開発において解決困難な課題が発生することがあると思いますが、「乗り越えられない壁は無い」との技術者魂で壁を砕いて開発を推進していってください。私の経験から「どんな難問にも必ず策があり、頑張れば答えが見えてくる」ものです。
例えば、コンサートで演歌を聞きながらリラックスして、頭の中でモヤモヤした点と点がつながり線となって解決策を発見したこともありました。また、夢の中で解決策を考える自分がいて、いろいろと考え抜いてヒントが生まれ、翌日に試してみると解決できたということが何回もあります。

松下幸之助創業者の言葉 「熱意がハシゴを生む」は、私の大好きな言葉です。

「熱意がハシゴを生む」とは

松下幸之助創業者が、昭和34年6月に大学卒新入社員壮行会でお話された言葉です。PHP文庫 「わが経営を語る」に掲載されています。

松下幸之助 わが経営を語る

松下幸之助 わが経営を語る

〝何としてでもこの二階に上がりたい〟という熱意があれば、ハシゴというものを考えつきます。
・・・ (中略) ・・・
〝ぜひともやってみたい〟という熱意があってこそ、その人の才能とか知識とかが十分に生きてくるものです。
仕事をしていくには何といっても、熱意が大切だと思います。強い熱意があれば、どうすればよいのか何をなすべきなのかを、次つぎと考えついていくと思うのです。

私の体験談を例にすると、課題解決したいという「熱意」が原動力となり、夢の中で本人に備わっている「才能」に働きかけてヒントに気づいたわけです。
松下幸之助創業者は、ハシゴという例え話で説明していますがハシゴには一段ずつハシゴを登り、最終的に二階に上がるという、途中経過の熱意や努力も大事だということが、文章の行間に書かれているように思います。