Re:VIEWで上付き文字/下付き文字を書きたい
2018年7月、Windows10に書籍執筆支援システム「Re:VIEW」をインストールして使用しています。
Re:VIEWのバージョンは2.5.0です。
>review version 2.5.0
Re:VIEW フォーマットガイドにRe:VIEWの文法説明があります。
べき乗や対数などの簡単な数式の説明をするため、上付き文字や下付き文字が使えたら便利です。しかし、フォーマットガイドには記載がありません。
LaTeXの式を挿入する記述方法について説明がありますが、正常に動作するかは環境依存のようです。確実な方法は、数式を別のアプリで書いて画像として貼り付けることです。
試行錯誤した結果、Re:VIEWで上付き文字や下付き文字を記述することができました。
方法1 : rawコマンド
HTMLでは、上付き文字と下付き文字を次のように簡単に記述できます。
- 上付き文字 : <sup>~</sup> で囲まれたテキスト
- 下付き文字 : <sub>~</sub> で囲まれたテキスト
Re:VIEWには、HTMLを直接記述するrawコマンドがあります。
@<raw>{|ビルダ|〜} : 生の文字列を出力します
ビルダにhtmlを指定して、HTML構文を直接記述します。
y = x@<raw>{|html|<sup>2</sup>}
方法2 : supとsubコマンド
ネット検索していて、Re:VIEW記法について整理するためのメモという資料をみつけました。この資料に、LaTeXに限定してsupとsubコマンドが使用できると書いてあります。
利用できるインライン記法
・ sup ※LaTeX対応済み
・ sub ※LaTeX対応済み、ただしstyに難あり
テスト原稿
次のようなRe:VIEW原稿を書いてテストしました。
= テスト == 上付き文字 //quote{ HTMLでは、<sup>~</sup> で囲まれたテキストを上付きの文字で表示します。 sup は SUPerscript(上付きの)の略です。 //} N Bitで表現できる符号付き整数の値は、 (2@<sup>{(N-1)}-1)~(-2@<sup>{(N-1)}) です。 36ビット精度では、とのくらいの大きさの数値を表現できるでしょうか? 2@<sup>{(36-1)} = 2@<sup>{(10×3)}×2@<sup>{5} = (2@<sup>{10})@<sup>{3}×64 = (10@<sup>{3})@<sup>{3}×64 ≒ 約10@<sup>{10} == 下付き文字 //quote{ HTMLでは、<sub>~</sub> で囲まれたテキストを下付きの文字で表示します。 sub は SUBscript(下付きの)の略です。 //} 数値1000を表現するには、何ビット必要でしょうか? log@<sub>{2}(1000) ≒ log@<sub>{2}(2@<sup>{10}) = 10
PDF生成
PDFを生成すると上付き文字と下付き文字をきれいに出力しました。
EPUB生成
EPUBではsupとsubコマンドをサポートしていないのでエラーになるかと思いながら、EPUB生成してみました。すると、EPUBでも上付き文字と下付き文字をきれいに出力しました。
まとめ
書籍執筆支援システム「Re:VIEW」で上付き文字や下付き文字を記述することができました。
Re:VIEWは便利なツールですが、しっかりしたドキュメントが整っていないことが残念な点です。
上付き文字と下付き文字をサポートしているのに、ドキュメントに記述がありませんでした。技術文書を書くときに、べき乗や対数を記述したいことがあります。このコマンドがサポートされていて助かりました。