マイコン物語
2024年3月、Amazonから『電卓からMSX3、技術者たちのパシュート マイコン物語』という本を出版しました。
本書は、進化するマイクロプロセッサにまつわるマイコン物語について記載したものです。 テクノロジーを探究する技術者たちは、パシュート(追求×探究)を繰り返しながら 素晴らしい成果を残してきました。 このマイコン物語は、ロマンを求めて果敢に挑戦する技術者たちの物語です。 軽い読み物なので気楽に読み進めることができます。 しかしながら、技術者向けに解説した部分もありますのでこの本を読んで 何か新しい発見があると思います。
本書は拙著『超マシン復活 #4 DEC TOPS-20 伝説の8080エミュレーターとALTAIR』から 「伝説の8080エミュレータの仕組み」、「8080アセンブラで数式電卓」を割愛し、 構成を再編集して、さらに、Z80プロセッサやR800プロセッサ、MSXなど大幅に加筆した書籍です。 そのため、『超マシン復活 #4』と内容が部分的に重なります。
本書について
世界初の4ビットマイクロプロセッサ4004が誕生したのが1971年です。 本書では、1970年代から1990年代にかけて、進化した8ビットマイクロプロセッサを 軸に記載しています。本書には、下記に示す主な登場人物がいます。
- 4004、8080、Z80マイクロプロセッサを作った嶋 正利
- 8080搭載のAltair 8800を開発したエド・ロバーツ
- AltairにBASICを搭載したビル・ゲイツとポール・アレン
- BASICをカスタマイズして国産パソコンに搭載した西 和彦
夢とロマンを追いかけて、技術者たちは果敢に挑戦しながら テクノロジーを探究してマイコン物語を紡いできました。
本書の目的
本書の目的は、マイクロプロセッサの進歩とその工夫、 技術者たちのパシュート(追求×探究)について伝えることです。 そして、この本を読んで、元気がでることを期待します。
令和の時代にMSXが復活しようとしています。 なぜか、このプロジェクトにワクワクしてしまいます。 この本を読んで、探究心と好奇心の扉を開いて 『テクノロジーを探究するロマンの冒険』へ 出発してください。 『技術者たちのパシュート マイコン物語』の世界は、ワクワクすることでいっぱいです。
本書のサンプル
本書の内容を紹介します。
本書の構成
第1章 マイコン物語 プロローグ
マイコン物語の主な登場人物について解説します。 世界初のマイクロプロセッサを開発した嶋 正利、 Altair 8800を開発したエド・ロバーツ、 Altair BASICを開発したビル・ゲイツとポール・アレン、 理想のパソコンを追求した西 和彦を紹介します。
第2章 世界初のマイコン4004
1971年にインテルが発表した世界初の4ビットマイクロプロセッサ4004について解説します。 電卓戦争を勝ち抜くために日本のビジコン社は、インテル社と共同開発して 小さなコンピュータ4004を開発しました。
第3章 後継のマイコン8008
1972年にインテルが発表した後継の8ビットマイクロプロセッサ8008について解説します。 デスクトップ・コンピュータを検討していた精工舎はインテル社と共同開発して 4004をベースに8ビットに拡張したマイクロプロセッサ8008を開発しました。
第4章 秀逸のマイコン8080
1974年にインテルが発表した秀逸の8ビットマイクロプロセッサ8080について解説します。 8008に引き続き精工舎はインテル社と共同開発して本格的なマイクロプロセッサを開発しました。 MITSのエド・ロバーツは8080を搭載したAltair 8800を開発、 ビル・ゲイツとポール・アレンはAltairマシンにBASICを開発しました。 その開発には、伝説の8080エミュレータを使いました。
第5章 最強のマイコンZ80
1976年にザイログが発表した最強の8ビットマイクロプロセッサZ80について解説します。 Z80は8080を改良した上位互換で大ヒットしました。 理想のパソコンをめざした西 和彦は、マイクロソフトBASICをカスタマイズして 日本のパソコンに搭載しました。その後、パソコン統一規格MSXを作りました。
第6章 究極のマイコンR800
1990年にアスキーが発表した究極の16ビットマイクロプロセッサR800について解説します。 アスキーはZ80バイナリ互換でありながら超高速のプロセッサを開発しました。 そして、MSXをアップデートしてZ80搭載のMSX2パソコンに比べて 10倍も速いMSXturboRパソコンを実現しました。
第7章 技術の進化 昨日・今日・明日
技術の進化と昨日・今日・明日について考えてみます。 そして、プロジェクト進行中の第3世代MSXについて解説します。 最後に、「経験はきっと役に立つ」で技術の風を感じるコラムで私の経験を紹介します。
技術者たちのパシュート マイコン物語
本の情報
- 電卓からMSX3、技術者たちのパシュート マイコン物語
- テクノロジーを探究する夢とロマンの冒険
- 2024年3月16日
- フォーマット: Kindle版
- ファイルサイズ: 44434 KB
- 紙の本の長さ: 379 ページ
- 出版社: 私の計算機科学研究
- 販売: Amazon Services International, Inc.
目次
はじめに
第1章 マイコン物語 プロローグ
1.1 マイコン物語の登場人物
1.2 バックグラウンド
1.3 夢とロマンの冒険
第2章 世界初のマイコン4004
2.1 マイクロプロセッサ誕生の背景
2.2 4004の誕生秘話
2.3 世界初のマイクロプロセッサ
2.4 小さなコンピュータ 4004
第3章 後継のマイコン8008
3.1 インテルが次に作った MPU
3.2 ビジネスチャンスか?
第4章 秀逸のマイコン8080
4.1 本格的な第2世代 MPU
4.2 マイ・コンピュータ Altair 8800
4.3 Altair BASICの開発
4.4 Altair BASICで歴史的瞬間へ
4.5 伝説の8080エミュレータ
4.6 日本国内での8080応用
第5章 最強のマイコンZ80
5.1 ザイログが作った MPU
5.2 マイクロソフトBASIC登場
5.3 理想のパソコンを作りたい
5.4 パソコン統一規格 MSX
第6章 究極のマイコンR800
6.1 アスキーが作った MPU
6.2 MSX最後の規格
第7章 技術の進化 昨日・今日・明日
7.1 時をかける技術者
7.2 第3世代MSX
7.3 日に新た
7.4 経験はきっと役に立つ
昔話 8080の貴重な経験
画像コーデックDSP開発
画像認識最適化実装
アイデアが光る最適化実装
最適化実装に新時代到来
おわりに
参考文献
索引
奥付