本書は下記に示す章から構成しています。 最初から読み進めることを推奨しますが、目的によっては部分的に読むことも可能です。
第1章「魔法の箱AltairとPDP-10」では、 MITS AltairマシンとDEC PDP-10マシンについて解説します。 ビル・ゲイツとポール・アレンが開発したマイクロソフトのAltair BASIC誕生の背景には、 伝説の8080エミュレーターの存在がありました。
第2章「BASICとギークな少年」では、 ギークな少年(ビル・ゲイツとポール・アレン)のPDP-10マシンとの出会いと ふたりの大冒険を紹介します。 Altair BASICを短期間で開発できたのは、ポール・アレンが作った伝説の8080エミュレーターがあったからです。
第3章「伝説の8080エミュレーター」では、 ポール・アレンが書いた文献から伝説の8080エミュレーターに隠された驚きの真実を解明し、 UUO命令を利用した8080エミュレーターの原型を作成します。
第4章「8080エミュレーターを作ろう」では、 達人ポール・アレンと同じ道を歩んで伝説の8080エミュレーターを作ってみます。 8080プロセッサーの命令セットを解説し、エミュレーターとオブジェクトコード出力について解説します。
第5章「8080アセンブラで数式電卓」では、 8080アセンブラで数式電卓プログラムを作成して、PDP-10マシンの上で実行してみます。 字句解析、構文解析などの専門的な知識が必要ですが、定石アルゴリズムが存在するので 実装するのはそんなに難しくはありません。
第6章「エンハンスドAltair入出力」では、 AltairマシンのSIOボードを使用した入出力について解説します。 そして、数式電卓の端末入出力をIN/OUT命令で書き換えます。 最終的に入出力命令をサポートしたエンハンスド・エミュレーターで数式電卓を動作させます。
第7章「Altairで歴史的瞬間へ」では、 ポール・アレンが初めてAltairマシンでBASICシステムを起動したときの 歴史的な瞬間について説明します。 読者の皆さんも同じ体験をするためにAltairシミュレーターを導入し、 PDP-10マシンから出力した数式電卓の8080オブジェクトコードをAltairマシンで実行してみましょう。
付録A「マニュアル」では、 DECが発行した貴重なマニュアル(英文)を公開しているサイトへのリンクを示しています。
付録B「エディターの操作」では、 EMACSとラインエディターの操作方法について説明しています。
付録C「TOPS-20起動と停止」では、 TOPS-20のブートアップ起動、ログイン、ログアウト、シャットダウン停止について説明しています。
付録D「アカウント登録」では、 TOPS-20のアカウント登録について説明しています。
付録E「ASCIIコード」では、 ASCIIコード表とASCIIコードシンボルについて説明しています。
付録F「Altair simHコマンド」では、Altair simHコマンドについて説明しています。
付録G「ソースコードの入手方法」では、ソースコードの入手方法について説明しています。