レトロなTOPS-20 OSの解説書
2023年10月、Amazonから『超マシン復活 #5 DEC TOPS-20 レトロなOSの散歩道』という本を出版しました。
未知なる世界を探求する知的冒険の旅
本書は、これまでの超マシン復活シリーズで説明しきれなかった 便利なコマンドやツール、活用テクニックなどについて記載したものです。
シリーズ | 書 名 |
---|---|
超マシン復活#1 | DEC TOPS-20 レトロOSワールド |
超マシン復活#2 | DEC TOPS-20 プログラミング言語 その世界 |
超マシン復活#3 | DEC TOPS-20 太古のPDP-10 アセンブラの世界 |
超マシン復活#4 | DEC TOPS-20 伝説の8080エミュレーターとALTAIR |
超マシン復活#5 | DEC TOPS-20 レトロなOSの散歩道 |
本書では、PDP-10マシンで動作するレトロなOS TOPS-20を活用するための情報を解説しています。
- ファイルのバックアップと世代管理
- ファイル比較ツールの使用方法
- TSSでバッチジョブの使用方法
- 磁気ディスク装置の増設方法
- 磁気テープの活用方法
- ネットワークツールの使用方法
本書の目的
本書の目的は、PDP-10マシンのレトロなOSであるTOPS-20について、これまでの超マシン復活シリーズで説明しきれなかった便利なコマンドやツール、活用テクニックなどについて説明することです。
筆者は、2019年に『超マシン復活 #1 DEC TOPS-20 レトロOSワールド』を執筆して発売し、『超マシン復活』シリーズを書いてきました。
執筆しながらいろいろな疑問を持ち、インターネットやマニュアルを調べて解決してきました。
例えば、複数の世代管理を保存するにはどうしたら良いのだろうか。この疑問については、比較的簡単に答えが見つかりました。
また、ディスクドライブを増設したいが、どうしたら良いのだろうか。どのマニュアルを調べれば良いか、なかなか答えにたどり着けませんでした。これまでの経験と勘を駆使してマニュアルを調べながらCHECKDコマンドにたどり着き、ようやくその方法がわかりました。
さらに、磁気テープの操作については、操作パターンが3種類もあり思いのほか複雑でした。また、マニュアルで説明しているIDENTIFYコマンドがTOPS-20コマンドだと思い込んで、なぜ使えないのだろうと考えてしまいました。そして、そのコマンドがOPRコマンドによるオペレーター操作だと気がついて、納得しました。
本書では、オペレーターツール、磁気ディスク増設、磁気テープ操作、ネットワークツールなど、少々高度な内容を説明します。また、豊富な磁気テープライブラリーを紹介し、実際にインストールしてみます。
PDP-10のソフトウェア磁気テープを保存記録した大規模なライブラリーは、歴史的にも非常に価値のあるソフトウェアの宝庫です。あなたのお宝を探してみてはどうでしょうか。
このように、探究心と好奇心をかきたててあなたを知的冒険の旅に誘います。『レトロなOSの散歩道』の魅力は、本書だけでは語り尽くせません。レトロなOS TOPS-20の世界は、ワクワクでいっぱいです。
この本を出発点として、探究心と好奇心の扉を開いて『未知なる世界を探求する知的冒険の旅』へ出発してください。
本書のサンプル
本書の内容を紹介します。
第1章 超マシン復活
超マシンPDP-10 TOPS-20の復活について説明します。 LinuxマシンでKN10エミュレーターにより 本物のTOPS-20バイナリーコードを実行します。 時を超えてTOPS-20が復活しました。
第2章 バックアップと世代管理
ファイルのバックアップと世代管理について説明します。 TOPS-20ファイルシステムでは、ファイル記述仕様に世代番号 が付きます。この世代番号をインクリメントしてファイルを バックアップします。 設定により、複数の世代別ファイルを残すことも可能です。
第3章 ファイル比較ツール
ファイル比較ツール(FILCOM)について説明します。 ファイルを比較して、その違い(差分)を出力します。 テキストファイルの比較やバイナリーファイルの比較が行えます。
第4章 TSSでバッチジョブ
TOPS-20バッチシステムを使って、 バッチジョブを作成し実行する方法を説明します。 バッチのエラー回復処理についても説明します。 そして、いくつかのバッチジョブサンプルを示します。
第5章 磁気ディスク装置の増設
磁気ディスク装置の増設について説明します。 TOPS-20を本格的に活用するとき、 磁気ディスクの容量が不足してしまうことがあります。 そのときは、磁気ディスク装置を増設しましょう。 KN10エミュレーターのシステム構成を変更して、 ディスクにストラクチャーを作成してマウントすると 磁気ディスク装置を増設できます。
第6章 磁気テープの活用
磁気テープデバイスアクセスや DUMPERツールについて説明します。 磁気テープの操作は、 ユーザー操作とオペレーター操作に役割分担して行います。 また、豊富な磁気テープライブラリーを紹介します。 お宝を発見してみてはいかがでしょうか。
第7章 ネットワークツール
インターネットの源流であるARPANETから 生まれたFTP/TELNETツールなどについて説明します。 複数のTOPS-20の間で情報を交換することができます。
超マシン復活 #5 レトロなOSの散歩道
『超マシン復活 #5 レトロなOSの散歩道』は、ラズパイで動く超マシンシリーズ5です。
本の情報
- 超マシン復活 #5 レトロなOSの散歩道
- 2023年10月21日
- フォーマット: Kindle版
- ファイルサイズ: 33419 KB
- 紙の本の長さ: ?? ページ
- 出版社: 私の計算機科学研究
- 販売: Amazon Services International, Inc.
目次
はじめに
第1章 超マシン復活
1.1 レトロなOS TOPS-20
1.2 エミュレーターで復活
1.3 超マシン復活シリーズ
1.4 知的冒険の旅
第2章 バックアップと世代管理
2.1 バックアップファイル
2.2 世代番号によるバックアップ
2.3 複数の世代別ファイル
ESCとCTRL/Fによる認識入力
第3章 ファイル比較ツール
3.1 ファイル差分の確認
3.2 FILCOMツール
3.3 FILCOMを使ってみよう
3.4 テキストファイルの比較
FILCOMで世代間の比較
3.5 バイナリーファイルの比較
FILCOMでダンプ
3.6 参考資料
第4章 TSSでバッチジョブ
4.1 バッチの概要
4.2 バッチを使ってみよう
4.3 バッチのエラー回復処理
4.4 バッチのスイッチ
バッチジョブと印刷
4.5 バッチのサンプル
4.6 参考資料
第5章 磁気ディスク装置の増設
5.1 磁気ディスク増設の概要
5.2 CHECKDツール
5.3 OPRオペレーターツール
5.4 KN10エミュレーターのシステム構成変更
5.5 ディスクにストラクチャーを作成
5.6 ディスクのストラクチャーを使う
5.7 ワンランク上のストラクチャー活用
5.8 参考資料
第6章 磁気テープの活用
6.1 磁気テープ操作の概要
6.2 磁気テープの装着と取り外し
デバイス識別名とシステムデバイス名
6.3 磁気テープ操作コマンド
6.4 OPRオペレーターツール
6.5 磁気テープデバイスの操作
6.6 DUMPERツール
6.7 磁気テープの操作パターン《Ⅰ》
6.8 磁気テープの操作パターン《Ⅱ》
6.9 磁気テープの操作パターン《Ⅲ》
6.10 磁気テープライブラリーを活用しよう
TOPS-20で動くInterlisp
6.11 参考資料
第7章 ネットワークツール
7.1 ARPANETユーティリティー
インターネットの源流 ARPANET
7.2 IPHOSTツール
7.3 TELNETツール
7.4 FTPツール
7.5 参考資料
付録A マニュアル
付録B エディターの操作
付録C TOPS-20起動と停止
付録D アカウント登録
おわりに
参考文献
索引
改訂履歴
著者紹介
著者書籍 一覧
奥付