言いたいことが一度で伝わる論理的日本語

               公開日:2016/12/06

論理的日本語とは

2016年12月、文章を書くことは難しいなと思いながらアマゾンを検索していたら「論理的日本語」というタイトルのついた書籍を発見しました。

上手に効率的に
言いたいことを伝える論理的日本語のスキル・アップ法

どんな本か興味を持って、読んでみました。

言いたいことが一度で伝わる論理的日本語

  • 言いたいことが一度で伝わる論理的日本語
  • 斎藤 孝 著
  • 株式会社 海竜社
  • 2016年4月12日 第1刷発行

 

言いたいことが一度で伝わる論理的日本語

言いたいことが一度で伝わる論理的日本語

 

目次

1章 日本語の“あいまいさ”を払拭する
・・・なぜ日本語は伝わりにくいのか

2章 “言語の新しい血”が日本語を変えた
・・・日本語は何によって論理力をつけたのか

3章 混ぜると論理が破綻する
・・・話が混乱する、よくある原因とは?

4章 慣れると便利な実践ワザ
・・・論理的に聞こえるテクニックとは?

5章 やさしい英語をヒントに
・・・日本語と英語は基本的に何が違うのか

6章 ちょっと数学頭に切り換えて
・・・数学的に考えると、なぜ話が明瞭になるのか

 

なぜ日本語は伝わりにくいのか

主語と目的語をはっきりさせる

日本語は、主語などが省略される場合が多いのですが、省略することにより論理性を欠いてはいけないと書いてありました。

一般的に文章は、5W1Hのフレームで「いつ → どこで → 誰が → 何を → なぜ → どうした」と書くと言われます。しかし、著者はすべての要素を入れる必要はないけれど、主語と目的語は省かないほうが良いと言っています。

  • 時期 : When  いつ
  • 場所 : Where どこで
  • 対象 : Who  誰が
  • 課題 : What  何を
  • 動機 : Why  なぜ
  • 手段 : How  どのように

主語と述語をなるべく近づける

日本語は、述語が文末に来ることが多いので最後まで意味がわからないことがあります。そこで、主語と述語を近づけて、優先順位をつけて短いセンテンスに区切って論理を伝えるようにします。


頻度や数量のグレードを適切に言う

著者は、頻度や数量のグレード(段階)を大ざっぱに言うのは論理的ではないと言っています。頻度のグレードについて説明してありました。この表現を参考にして、不明確な表現を避けたいと思いました。

100% : 「常に」「いつも」「必ず」
80% : 「ほぼいつも」「頻繁に」「たいてい」
60% : 「よく」「けっこう」「かなり」
40% : 「しばしば」
20% : 「ときどき」「ときおり」
10% : 「たまに」「まれに」
5% : 「ほとんど~ない」「ごくまれに」
0% : 「決して~ない」「まったく~ない」

日本語と英語は基本的に何が違うのか

著者は「英語は、数学的で論理的で素晴らしい」と言っています。


日本語を英訳したときに、ちゃんと意味が伝わる文章は論理的である

私がPanasonic会社の技術者だった頃、「論文は日本語で考えてはいけない。英語で考えなさい」という話を聞いたことがあります。

英語の基本5文型で考えると、論理的な文章になります。

S:Subject(主語)、V:Verb(動詞)、O:Object(目的語)、C:Complement(補語)とします。

  • S+V 「ssは vvする」
  • S+V+C 「ssは vvccである」
  • S+V+O 「ssは ooを vvする」
  • S+V+O+O 「ssは ooに ooを vvする」
  • S+V+O+C 「ssは ooを ccと vvする」

2つの英熟語を意識的に使う

「ようするに in short、たとえば for example」

論理的な話は、次の2つの内容が交互に続きます。

  1. 核心的な話 (in short)
  2. 具体的な説明 (for example)

 

数学的に考えると、なぜ話が明瞭になるのか

論理は究極的には「数学」である

表現方法が異なるだけで、論理を国語も数学も本質的に同じものと説明しています。

  • 数学 : 論理を数式で表す
  • 国語 : 論理を言語(音声、文字)で表す

「逆」「裏」「対偶」という考え方

数学的に正しいかを判断する命題という考え方があります。

  • 真 : 正しい
  • 偽 : 正しくない

 

命題 逆・裏・対偶

命題 逆・裏・対偶

「AならばBである」という命題Pに対して、「逆」「裏」「対偶」があります。

【 逆 】図で左右の関係 「BならばAである」
【 裏 】図で上下の関係 「Aでない、ならば、Bでない」
【対偶】図で斜めの関係 「Bでない、ならば、Aでない」

命題Pが「真」のとき、対偶は常に「真」ですが、逆と裏は「真」とは限りません。
著者は、論理的に説明するときは、「逆」「裏」「対偶」をしっかりわきまえる必要があると言っています。

最後に

論理的日本語の文章を書くために参考になることが多く書かれていました。

文章を短く切って、主語と述語を近づけて書く習慣をつけたいと思います。

論理的日本語を書くために、英語や数学の話がでてきてビックリしました。しかし、内容を読んでなるほどと思いました。

 

 

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