本書で解説するプログラミング言語の開発時期や言語の位置づけを下図に示します。 本書では、楕円で示した言語について解説します。
本書は下記に示す章から構成しています。 第1章と第2章を読んだ後は、順に読み進めなくても良いです。 第3章から第13章は、気になったプログラミング言語の章を読んでください。 プログラミング言語の説明だけではなく、所々にコラムをはさんでいます。 コラムは、ちょっとした疑問、豆知識、こぼれ話などを書いていますので、読み物としても楽しめるでしょう。
第1章「超マシン復活」では、 超マシンTOPS-20の復活について記述します。 TOPS-20は、DECがPDP-10マシン向けに開発した基本ソフト(OS)で、Linuxで動作するKN10エミュレーターにより復活します。
第2章「Let'sプログラミング」では、 『技術を極める知的冒険の旅』に出るために必要な予備知識を解説します。 また、本書で解説するプログラム例題について説明します。
第3章「FORTRAN言語」では、 史上初の高級言語であり科学技術計算を得意とするFORTRAN言語とその世界を紹介します。 科学技術計算の世界では、重要な言語です。
第4章「COBOL言語」では、 ビジネスの分野で使われて事務処理が得意なCOBOL言語とその世界を紹介します。 企業の基幹システム構築に利用されています。
第5章「ALGOL言語」では、 アルゴリズム(論理的な思考)の記述を得意とするALGOL言語とその世界を紹介します。 アカデミックな世界で使われた先駆的な言語です。
第6章「SIMULA言語」では、 オブジェクト指向という概念を生み出したSimula言語とその世界を紹介します。 ALGOLに先進的な概念を組み込んだ革新的な言語です。
第7章「PASCAL言語」では、 豊富なデータ構造と構造化した制御構造を持つPASCAL言語とその世界を紹介します。 プログラミングの教育を目的とした読みやすい言語です。
第8章「C言語」では、 高水準から低水準までカバーした万能ツールであるC言語とその世界を紹介します。 アプリ、システム記述、組み込みシステムなどで使われる汎用性が高い言語です。
第9章「SNOBOL言語」では、 強力なパターンマッチと高度なテキスト処理によるSNOBOL言語とその世界を紹介します。 パターンプログラミングという魔法の言語です。
第10章「BASIC言語」では、 思考を助ける強力な道具であるBASIC言語とその世界を紹介します。 対話的にプログラミングできるので初心者でも使える言語です。
第11章「LISP言語」では、 関数型言語でリスト処理の得意なLISP言語とその世界を紹介します。 数学的な記法を実行可能にした言語です。
第12章「LOGO言語」では、 体験と発見から思考方法を学ぶ教育用のLOGO言語とその世界を紹介します。 使いやすくて非常に強力な言語で、思考を大きく増幅する道具です。
第13章「FORTH言語」では、 仮想スタック・マシンで動作する一風変わったFORTH言語とその世界を紹介します。 小さな核に拡張性を備えたパワフルな言語です。
付録A「マニュアル」では、 DECが発行した貴重なマニュアル(英文)を公開しているサイトへのリンクを示しています。
付録B「エディターの操作」では、 EMACSとラインエディターの操作方法について説明しています。
付録C「TOPS-20起動と停止」では、 TOPS-20のブートアップ起動、ログイン、ログアウト、シャットダウン停止について説明しています。
付録D「アカウント登録」では、 TOPS-20のアカウント登録について説明しています。
付録E「端末出力の制御」では、 端末出力の制御について説明しています。
付録F「例題プログラムのQRコード」では、 例題プログラムのソースコードを入手する方法について説明しています。