本書は下記に示す章から構成しています。最初から読み進めることを推奨しますが、目的によっては部分的に読むことも可能です。
第1章「マイコン物語 プロローグ」では、 マイコン物語の主な登場人物について解説します。 世界初のマイクロプロセッサを開発した嶋 正利、 Altair 8800を開発したエド・ロバーツ、 Altair BASICを開発したビル・ゲイツとポール・アレン、 理想のパソコンを追求した西 和彦を紹介します。
第2章「世界初のマイコン4004」では、 1971年にインテルが発表した世界初の4ビットマイクロプロセッサ4004について解説します。 電卓戦争を勝ち抜くために日本のビジコン社は、インテル社と共同開発して 小さなコンピュータ4004を開発しました。
第3章「後継のマイコン8008」では、 1972年にインテルが発表した後継の8ビットマイクロプロセッサ8008について解説します。 デスクトップ・コンピュータを検討していた精工舎はインテル社と共同開発して 4004をベースに8ビットに拡張したマイクロプロセッサ8008を開発しました。
第4章「秀逸のマイコン8080」では、 1974年にインテルが発表した秀逸の8ビットマイクロプロセッサ8080について解説します。 8008に引き続き精工舎はインテル社と共同開発して本格的なマイクロプロセッサを開発しました。 MITSのエド・ロバーツは8080を搭載したAltair 8800を開発、 ビル・ゲイツとポール・アレンはAltairマシンにBASICを開発しました。 その開発には、伝説の8080エミュレータを使いました。
第5章「最強のマイコンZ80」では、 1976年にザイログが発表した最強の8ビットマイクロプロセッサZ80について解説します。 Z80は8080を改良した上位互換で大ヒットしました。 理想のパソコンをめざした西 和彦は、マイクロソフトBASICをカスタマイズして 日本のパソコンに搭載しました。その後、パソコン統一規格MSXを作りました。
第6章「究極のマイコンR800」では、 1990年にアスキーが発表した究極の16ビットマイクロプロセッサR800について解説します。 アスキーはZ80バイナリ互換でありながら超高速のプロセッサを開発しました。 そして、MSXをアップデートしてZ80搭載のMSX2パソコンに比べて 10倍も速いMSXturboRパソコンを実現しました。
第7章「技術の進化 昨日・今日・明日」では、 技術の進化と昨日・今日・明日について考えてみます。 そして、プロジェクト進行中の第3世代MSXについて解説します。 最後に、「経験はきっと役に立つ」で技術の風を感じるコラムで私の経験を紹介します。